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TOP &GROWアカデミー コラム 経営者のためのSNS戦略(3) 90日で成果を出す「3つの指標」と最小運用チーム

経営者のためのSNS戦略(3) 90日で成果を出す「3つの指標」と最小運用チーム

2026.01.07

ここまで、第1回で「売上・採用に直結する戦略」を描き、第2回で「ネタ切れしない制作体制」を作りました。しかし、SNS運用の本番はここからです。投稿ボタンを押した瞬間、あなたの会社のSNSは市場という名の海に放たれます。

そこで溺れずに目的地(成果)へたどり着くためには、羅針盤となる「正しい計測」と、船を動かし続ける「強固な運用チーム」が不可欠です。

最終回となる今回は、90日で確実に数字を作るための「3つの指標(信号機管理)」、「鉄壁のロードマップ」、そして少人数で回す「運用体制」について解説します。

「いいね」は無視せよ。見るべきは3つの指標だけ

多くの経営者が陥る間違いは、「フォロワー数」や「いいね数」をKPI(重要業績評価指標)にしてしまうことです。はっきり言いますが、これらは自己満足の数字であり、売上や採用には直結しません。

経営者が見るべき指標は、以下の「3つ」だけです。これ以外はノイズとして切り捨ててください。

① 到達(リーチ / 視聴完了率)

「どれだけの人に届き、最後まで見られたか」です。

  • 目安: ショート動画の場合、視聴完了率 40%以上 が合格ラインです。ここが低い場合、内容がつまらないのではなく、構成(特に冒頭)に問題があります。

② 反応(保存数 / 共有数)

「どれだけ心が動き、後で見返したいと思ったか」です。

  • 重要指標: 「いいね」よりも「保存」と「共有(シェア)」を重視します。
  • 目安: 保存率 1.5%以上、共有率 0.5%以上 を目指します。この数字が高い投稿は、ユーザーにとって「価値ある資産」であることを意味します。

③ 転換(プロフィールクリック / フォーム送信)

「どれだけ具体的な行動に変わったか」です。これが最終成果(コンバージョン)への入り口です。

  • 目安: プロフィールへのクリック率 1.0〜2.5%、そこからの問い合わせ・応募フォーム送信率 10〜25% を狙います。

週次レビューは「信号機」で管理する

数字が出揃ったら、それをどう判断するか。ここでは直感に頼らず、「緑・黄・赤」の信号機で色分けして管理します。

信号機ルールの運用例

  • 緑(順調): 基準値をクリア。この投稿の「型」は勝ちパターンとして再利用リストに入れます。
  • 黄(注意): 基準値ギリギリ。微調整が必要です。
  • 赤(危険): 基準値を大きく下回る。即座に対策が必要です。

赤が出た時の「仮説1行」

赤信号が出た時、現場を叱責しても数字は改善しません。必要なのは、翌週に向けた「仮説を1行立てる」ことです。

  • 悪いレビュー: 「もっと頑張ります」「次は面白い動画を作ります」
  • 良いレビュー(仮説): 「視聴完了率が低い(赤)のは、冒頭で挨拶をして離脱されたからだ。次は『挨拶をカットして結論から話す』に変更する」

このように、週に1回、3つの指標を表にして色分けし、「赤」に対して具体的な変更アクションを1つ決める。これが最短で成果を出すPDCAの回し方です。

成果への導線(CTA)は「1つ」に絞る

動画が見られても、プロフィールに来ても、そこから申し込みがなければ意味がありません。ここで多くの企業が犯すミスが「CTA(Call To Action:行動喚起)の分散」です。

「お電話はこちら、LINEはこちら、HPも見てね」

このように選択肢を複数提示された瞬間、ユーザーは迷い、そして離脱します。

鉄則:出口は一つだけ

目的が売上なら「資料請求」、採用なら「カジュアル面談への応募」。導線は「最短距離の1つ」に絞ってください。

  • プロフィールと固定投稿: ここに最大のCTAボタン(リンク)を設置します。
  • 動画の最後: 「詳しくはプロフィールリンクへ」と誘導します。
  • DM対応: 個別のやり取りに移った際も、「資料にしますか? 日程調整にしますか?」と選択肢を2つだけ提示して選ばせます。

SNS運用を90日で形にするロードマップ

これから運用を始める場合、どのようなスケジュール感を持つべきか。ここでは90日(3ヶ月)で成果が出る体制を作るロードマップを提示します。

【1〜2週目】戦略と導線の設計

  • 投稿はしません。第1回の「目的の一行」や「ペルソナ」を固めます。
  • プロフィールのリンク先(ランディングページ)を整備します。スマホで見やすく、入力項目が5つ以内のフォームを用意します。

【3〜4週目】運用スタートと撮影フローの確立

  • 週3本の投稿を開始します(月:価値/水:信頼/金:人)。
  • 第2回の「週1回60分まとめ撮り」のリズムを体に馴染ませます。

【5〜8週目】数値計測と勝ちパターンの発掘

  • 信号機ルールを導入し、数字を見始めます。
  • 「緑」が出た投稿と似た構成のコンテンツを増やし、確度を高めます。

【9〜12週目】広告活用による加速

  • ここまでの運用で、特に反応が良かった(緑信号の)投稿だけを選び、少額(日額1,000円程度)の広告をかけます。
  • 「売れると分かっているクリエイティブ」にお金を使うため、無駄金になりません。

少人数でも回る「最強のSNS運用チーム」

最後に、これを誰がやるのかという問題です。専任担当者を雇う必要はありません。既存メンバーの兼務で回すための役割分担とルールを決めます。

5つの役割分担(兼務OK)

  1. 企画: ネタ出し(マトリクスの空欄埋め)
  2. 編集: 台本作成とテロップ入れ
  3. 制作: 撮影(スマホ係)
  4. 公開: 予約投稿の設定
  5. 返信: コメントやDMへの対応(24時間以内)

運用を続けるための「15分レビュー」

毎週月曜日の朝など、決まった時間に「15分だけ」チームで集まってください。やることは以下の3点だけです。

  1. 事実: 先週、一番伸びた投稿と、一番悪かった投稿はどれか?
  2. 理由: 伸びた(または悪かった)原因は、タイトルか? 冒頭3秒か? CTAか?
  3. 次の一歩: 明日からの投稿で変える箇所を「1つだけ」決める。

「1つだけ変える」というのが継続のコツです。あれもこれもと欲張ると続きません。

SNSは「蓄積型」の資産である

全3回にわたり、経営者のためのSNS戦略をお伝えしました。

  • 第1回: バズではなく「成果」を目的にし、ターゲットと3本柱を決める。
  • 第2回: 5×5マトリクスと3サイズ展開で、ネタ切れと制作コストをなくす。
  • 第3回: 3つの指標を信号機で管理し、赤を緑に変える仮説検証を繰り返す。

SNSは、今日やって明日すぐに結果が出る魔法の杖ではありません。しかし、正しい戦略と設計のもとで積み上げたコンテンツは、24時間365日休まずに自社の魅力を語り、顧客を連れてくる「最強の営業マン」であり「採用担当者」になります。

まずは最初の15分、戦略を練ることから始めてみてください。90日後、あなたの会社の景色は確実に変わっているはずです。

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