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TOP &GROWアカデミー コラム 経営者のSNS戦略(2) ネタ切れゼロ!5×5マトリクスと3サイズ展開術

経営者のSNS戦略(2) ネタ切れゼロ!5×5マトリクスと3サイズ展開術

2026.01.07

第1回で「信頼・価値・人」の3本柱を立てましたが、いざ運用を始めると、多くの企業が「制作の継続」という壁にぶつかります。

「もっと面白いことを言わなければ」「クリエイティブな動画を作らなければ」と気負っていませんか? 実は、成果を出している企業アカウントほど、その裏側は驚くほど「仕組み化」されています。センスや閃きに頼っているわけではないのです。

必要なのは、ネタが自動的に湧き出る「マトリクス(表)」と、1つの素材を骨の髄まで使い倒す「工場のような生産体制」です。

第2回となる今回は、明日からの運用を劇的に楽にし、かつ成果を最大化する「5×5マトリクス」と「3サイズ展開術」、そして「60分で終わらせる撮影フロー」を公開します。

センスに頼らないコンテンツ制作

まず大前提として、「毎回ゼロからネタを考える」のは絶対にやめましょう。これが運用担当者を疲弊させ、更新をストップさせる最大の原因です。

SNS運用を成功させる鉄則は、「型を作ってから量を回す」こと。これから紹介する型を使えば、毎月の苦しい企画会議は「表の空欄を埋めるだけの作業」に変わります。

ネタが無限に湧く「5×5マトリクス」とは

「ネタがない」という悩みは、思考の軸がないために起こります。そこで導入するのが「5×5マトリクス」です。

横軸に「ターゲット(誰に)」、縦軸に「コンテンツの型」を設定し、その交点を一つずつ埋めていくだけで、瞬時に25個のネタが完成します。

マトリクスの作り方

【横軸:ターゲット(5種)】

  1. 見込み客(これから買いたい人)
  2. 既存客(もう買った人)
  3. 採用候補者(求職者)
  4. 取引先(パートナー企業)
  5. 地域・業界(社会的な繋がり)

【縦軸:型(5種)】

  1. Q&A(よくある質問への回答)
  2. 比較表(AとBどっちがいい?)
  3. ビフォー・アフター(変化の証明)
  4. チェックリスト(保存したくなるリスト)
  5. 失敗談からの学び(共感と信頼)

具体的な交点の埋め方(例)

この表を前にして、以下のように交点を埋める「ゲーム」を行ってください。

  • 「見込み客」×「失敗談」
    • ネタ例:「初心者がやりがちな〇〇のミス3選。これで10万円損します」
    • 狙い:失敗を回避したいという心理(損失回避)を突き、プロとしての解決策を提示する。
  • 「採用候補者」×「Q&A」
    • ネタ例:「ぶっちゃけ残業はどれくらい? 入社1年目社員に聞いてみた」
    • 狙い:求人票には書けないリアルを見せることで、ミスマッチを防ぎ信頼を得る。
  • 「既存客」×「チェックリスト」
    • ネタ例:「その使い方合ってる? 商品を長持ちさせる月1回のメンテナンスリスト」
    • 狙い:顧客満足度を高め、リピートや紹介につなげる。
  • 「取引先」×「比較表」
    • ネタ例:「業界の常識が変わった? 従来手法Aと最新手法Bのコスト比較」
    • 狙い:業界内での「専門家ポジション」を確立する。

このように機械的に組み合わせていけば、ネタ切れは物理的に起こり得ません。25マス埋まれば、週3回投稿でも約2ヶ月分のストックが確保できます。まずはこの表を埋めることから始めてください。

3. 効率最大化:1つのネタを「3サイズ」で使い倒す

ネタが決まっても、それをYouTube用、Instagram用、TikTok用……と別々に撮影・編集していては時間がいくらあっても足りません。

1つのネタ(素材)を「3つのサイズ」に分解して再利用(リサイクル)するのが、プロのやり方です。

制作は「ロング」から行い、そこから切り出していくのが鉄則です。

① ロング(60〜90秒)

  • 内容: ストーリー、手順、ノウハウの全体像をしっかり伝えるもの。
  • 用途: YouTube Shorts、Instagramリール、TikTokへ横断的に投稿。

これがすべての「親素材」になります。

② ミドル(15〜30秒)

  • 内容: ロング動画から「最も重要な要点1つ」だけを切り出します。
  • 構成: つかみ(3秒)→ 要点(10〜20秒)→ CTA(3〜5秒)。
  • 用途: 隙間時間に見られるショート動画として、回転数を稼ぎます。CTA(次の行動のお願い)を忘れずに入れましょう。

③ スナック(画像1枚 or 3枚)

  • 内容: 動画の内容を文字起こしし、「結論」だけを箇条書きにした画像です。
  • 用途: Instagramのフィード投稿やストーリーズ。
  • 狙い: 画像は動画よりも一瞬で内容がわかるため、「保存」や「共有」されやすい特徴があります。

「1ネタ = ロング → ミドル → スナック」

この順序で分解すれば、1回の企画・撮影で3回分の露出(リーチ)が可能になります。「制作は楽に、露出は広く」を徹底しましょう。

4. 「最初の3秒」で勝負が決まる!フックの技術

どんなに有益な内容でも、再生されなければ存在しないのと同じです。

SNS、特にショート動画において、視聴者がその動画を見るか決める時間は「最初の3秒」しかありません。

やってはいけないNG例

「こんにちは、株式会社〇〇の田中です。今日は……」

によると、ロゴや挨拶から入るのはNGです。ユーザーはあなたの挨拶を聞きたいわけではなく、自分の悩みを解決したいだけです。即座にスクロールされてしまいます。

そのまま使えるフックの定型文(テンプレート)

冒頭の3秒には、必ず「フック(興味付け)」となる強い言葉や文字を置いてください。以下のテンプレートをそのまま使い回すことをお勧めします。

【問題提示:損をしたくない心理を突く】

  • 「なぜ〇〇はうまくいかないのか? 3つの理由を解説」
  • 「これを知らないと〇〇で損します」
  • 「7割がやりがちな××、今日で卒業しませんか」

【ベネフィット:時間短縮・効率化】

  • 「1分で〇〇を終わらせるコツ」
  • 「明日から使える3チェック」
  • 「30秒で分かる〇〇の全体地図」

【結論・断定】

  • 「先に結論:やるならA、やめるならB」
  • 「失敗から学んだ1つのルール」
  • 「『高い or 安い』より合う/合わないで選ぶ」

台本を作る際は、これらの中から一つを選び、【問題提示】→【ベネフィット】→【具体的手順(最大3つ)】の順で構成します。

最小労力で回す「撮影・編集」の実務

最後に、経営者や社員が兼務でも回せる、現実的な「制作フロー」について触れておきます。ここを詰め込みすぎないことが継続の鍵です。

週1回60分の「まとめ撮影」

撮影のために毎日カメラをセットしてはいけません。週に1回、60分だけ時間を確保し、3本分を一気に撮影します。

  • 事前準備: 台本は箇条書きでOK(各8〜10行)。
  • 環境: 背景や照明は変えなくて構いません。同じ場所で撮ります。ただし、上着を変えたり小物を変えたりして、少しだけ変化をつけます。
  • 編集ルール: こだわりだすとキリがありません。「頭と末尾」だけを固定のテンプレート(ジングル・ロゴ・CTA)にし、中身を切って貼るだけの状態にしておきます。

撮影の最小チェックリスト

プロのような機材は不要ですが、以下の最低ラインだけは守ってください。スマホで十分です。

  • 構図: 顔+手元+商品など。空白を作らず、被写体を「近め」に映します。
  • 音: 環境音(エアコンや話し声)が入らないように。できれば安価でも良いので「マイク」を使いましょう。BGMは声の邪魔にならないよう小さめに。
  • 字幕: 今や必須です。自動生成アプリを使い、誤字だけ直します。
  • 画面: 最初の3秒だけは、結論や数字を書いた「文字」を画面上に置きます。

SNS運用を「工場ライン」にする

第2回では、コンテンツ制作の具体的な手法について解説しました。

  1. 5×5マトリクスで、ネタ出しを「空欄埋めゲーム」にする。
  2. 3サイズ展開で、1つのネタを3回使い回す。
  3. 最初の3秒にテンプレートを使い、離脱を防ぐ。
  4. 週1回60分のまとめ撮りで、業務時間を圧迫しない。

これらはすべて、個人の才能に依存せず、誰がやっても一定のクオリティが出せる「工場のライン」のような仕組みです。この体制さえ整えば、あとは淡々と週3本の投稿(例:月・水・金)を続けるだけです。

しかし、ただ投稿して満足してはいけません。

「動画は見られているのに、問い合わせが来ない」

「フォロワーは増えたが、採用に応募がない」

そんな時に必要になるのが、「数字を見る力」です。

次回、最終回となる第3回では、90日で確実に成果を出すための「3つの計測指標(到達・反応・転換)」と、赤字が出た時の「具体的な修正アクション」について解説します。

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