2026.1.7
経営者のためのSNS戦略(3) 90日で成果を出す「3つの指標」と最小運用チーム
第1回で「信頼・価値・人」の3本柱を立てましたが、いざ運用を始めると、多くの企業が「制作の継続」という壁にぶつかります。
「もっと面白いことを言わなければ」「クリエイティブな動画を作らなければ」と気負っていませんか? 実は、成果を出している企業アカウントほど、その裏側は驚くほど「仕組み化」されています。センスや閃きに頼っているわけではないのです。
必要なのは、ネタが自動的に湧き出る「マトリクス(表)」と、1つの素材を骨の髄まで使い倒す「工場のような生産体制」です。
第2回となる今回は、明日からの運用を劇的に楽にし、かつ成果を最大化する「5×5マトリクス」と「3サイズ展開術」、そして「60分で終わらせる撮影フロー」を公開します。
まず大前提として、「毎回ゼロからネタを考える」のは絶対にやめましょう。これが運用担当者を疲弊させ、更新をストップさせる最大の原因です。
SNS運用を成功させる鉄則は、「型を作ってから量を回す」こと。これから紹介する型を使えば、毎月の苦しい企画会議は「表の空欄を埋めるだけの作業」に変わります。
「ネタがない」という悩みは、思考の軸がないために起こります。そこで導入するのが「5×5マトリクス」です。
横軸に「ターゲット(誰に)」、縦軸に「コンテンツの型」を設定し、その交点を一つずつ埋めていくだけで、瞬時に25個のネタが完成します。
この表を前にして、以下のように交点を埋める「ゲーム」を行ってください。
このように機械的に組み合わせていけば、ネタ切れは物理的に起こり得ません。25マス埋まれば、週3回投稿でも約2ヶ月分のストックが確保できます。まずはこの表を埋めることから始めてください。
ネタが決まっても、それをYouTube用、Instagram用、TikTok用……と別々に撮影・編集していては時間がいくらあっても足りません。
1つのネタ(素材)を「3つのサイズ」に分解して再利用(リサイクル)するのが、プロのやり方です。
制作は「ロング」から行い、そこから切り出していくのが鉄則です。
これがすべての「親素材」になります。
「1ネタ = ロング → ミドル → スナック」
この順序で分解すれば、1回の企画・撮影で3回分の露出(リーチ)が可能になります。「制作は楽に、露出は広く」を徹底しましょう。
どんなに有益な内容でも、再生されなければ存在しないのと同じです。
SNS、特にショート動画において、視聴者がその動画を見るか決める時間は「最初の3秒」しかありません。
「こんにちは、株式会社〇〇の田中です。今日は……」
によると、ロゴや挨拶から入るのはNGです。ユーザーはあなたの挨拶を聞きたいわけではなく、自分の悩みを解決したいだけです。即座にスクロールされてしまいます。
冒頭の3秒には、必ず「フック(興味付け)」となる強い言葉や文字を置いてください。以下のテンプレートをそのまま使い回すことをお勧めします。
台本を作る際は、これらの中から一つを選び、【問題提示】→【ベネフィット】→【具体的手順(最大3つ)】の順で構成します。
最後に、経営者や社員が兼務でも回せる、現実的な「制作フロー」について触れておきます。ここを詰め込みすぎないことが継続の鍵です。
撮影のために毎日カメラをセットしてはいけません。週に1回、60分だけ時間を確保し、3本分を一気に撮影します。
プロのような機材は不要ですが、以下の最低ラインだけは守ってください。スマホで十分です。
第2回では、コンテンツ制作の具体的な手法について解説しました。
これらはすべて、個人の才能に依存せず、誰がやっても一定のクオリティが出せる「工場のライン」のような仕組みです。この体制さえ整えば、あとは淡々と週3本の投稿(例:月・水・金)を続けるだけです。
しかし、ただ投稿して満足してはいけません。
「動画は見られているのに、問い合わせが来ない」
「フォロワーは増えたが、採用に応募がない」
そんな時に必要になるのが、「数字を見る力」です。
次回、最終回となる第3回では、90日で確実に成果を出すための「3つの計測指標(到達・反応・転換)」と、赤字が出た時の「具体的な修正アクション」について解説します。