2026.1.7
経営者のためのSNS戦略(3) 90日で成果を出す「3つの指標」と最小運用チーム
「SNSを始めたが、担当者が疲弊しているだけで成果が見えない」
「フォロワーは増えたが、売上にも採用にも繋がっていない気がする」
もしあなたが経営者で、このような悩みを抱えているなら、その原因は「投稿内容」ではなく「設計」の段階にあるかもしれません。
多くの企業が陥る最大の罠は、目的を曖昧にしたまま「とりあえず更新すること」自体が目的化してしまうことです。しかし、ビジネスにおけるSNS運用の目的は「バズること」ではありません。「成果が積み上がる仕組み」を作ることです。
本連載(全3回)では、専門用語を最小限に抑え、今日から回せる実践的な「SNS戦略」を解説します。第1回となる今回は、すべての土台となる「戦略設計」についてです。
まずはスマートフォンを置き、設計図を描くことから始めましょう。
経営者が最初に認識すべきことは、SNSは単なる情報発信の場ではなく、売上(問い合わせ・来店・成約)と採用(応募・面談・入社)に直結させるための「成果装置」であるという点です。
「認知拡大」という曖昧な言葉に逃げてはいけません。認知はあくまで手段であり、最終ゴールは「行動してもらうこと」です。
この3つをシビアに計測し、90日で形にするつもりで取り組む必要があります。漫然と更新を続けるのではなく、「型を作ってから量を回す」順序を守りましょう。
戦略なき運用を避けるために、まずは目的を具体的な数字を含む一行に落とし込みます。
「ブランディングを強化したい」「若手の人材が欲しい」といった言葉だけでは、現場は動きようがありません。以下の「併記ルール」に従って書き出してください。
【併記ルール】
「どの人に」+「どの行動を」+「何件/何%」させるか
漠然と「売上アップ」とするのではなく、SNSから直接狙える指標(KPI)を設定します。
採用難易度の高い現代において、SNSは求職者への強力なアプローチ手段です。
この一行が決まって初めて、どんなコンテンツを作るべきかが見えてきます。
目的が決まったら、次はターゲット(ペルソナ)と提供価値を定義します。ここで重要なのは「軸を一本にする」ことです。あれもこれもと欲張ると、誰にも刺さらないアカウントになります。
「20代男性」といった属性だけでは不十分です。その人の背景まで想像してください。
ここが最も重要なポイントです。絶対に「自分の言いたいこと」から始めないでください。
ユーザーはあなたの会社の宣伝を見たいわけではありません。自分にとってメリットがある情報だけを探しています。
常に「相手の困りごと→答え」の順で構成することを意識しましょう。
「毎日ネタを考えるのが大変だ」という声を聞きますが、それは投稿内容をその都度考えているからです。
ビジネスで成果を出すために必要なコンテンツは、以下の3つの柱だけで十分です。これ以外の投稿をする必要はありません。
購入や応募のハードルを下げるためのコンテンツです。
見込み客との接点を保ち、専門家としての立ち位置を築きます。
最後の一押しとなる「感情」に訴えるコンテンツです。特に採用において強力な武器になります。
この3本柱を、例えば「週3本」の投稿スケジュールに落とし込みます。
このように曜日で固定することで、運用の一貫性が保たれ、見る側も習慣化しやすくなります。量を増やすのは、この「質と一貫性」が担保できてからです。
第1回では、SNSを「成果装置」に変えるための戦略設計について解説しました。
これからSNS運用を始める、あるいは立て直す場合、最初の1~2週間は投稿しなくて構いません。まずはこの設計図を社内で議論し、ペルソナと3本柱を決定することに時間を使ってください。ここがブレていると、後の運用がすべて無駄になってしまいます。
さて、設計図ができたら次は「制作」です。
「そうは言っても、毎週投稿するネタが思いつかない」
「動画を作るリソースがない」
そんな経営者のために、次回は「ネタが無限に湧くマトリクス」と「効率的な制作手法」について解説します。