2025.12.10
現場で「自然に守られる」ルールへ!マニュアル運用を劇的に変える設計と浸透の極意
「何度言っても自分から動いてくれない」 「いちいち指示を出さないと業務が進まない」
現場を預かるリーダーやマネジャーの方々から、こうした悩みを聞かない日はありません。 特に、チームワークが生命線となる介護・福祉の現場や、業務が多岐にわたる組織において、「指示待ち」スタッフの増加は、リーダーの負担増だけでなく、現場全体の生産性と士気の低下に直結します。
実際、厚生労働省の「労使コミュニケーション調査(令和6年)」などのデータを見ても、職場でのコミュニケーションに課題を感じている事業所は多く、自分の意見や提案を積極的に言える環境が整っていないケースが散見されます。
なぜ、「自分から動ける人材」が育ちにくいのでしょうか? 本記事では、精神論ではなく、部下の「主体性」を自然と引き出すリーダーの新常識と、明日から現場で再現できる「仕組み化」のノウハウを徹底解説します。
スタッフにやる気がないわけではありません。主体性を阻む現場には、構造的な「落とし穴」が潜んでいます。まずは現状のチェックから始めましょう。
「結局、何をゴールにすればいいの?」という状態では、スタッフは失敗を避けるために“言われたことだけやる”マインドに陥ります。
「ミスしたら責められる」「新しいことをして問題になるのが怖い」という現場では、自発的な提案は生まれません。減点主義は主体性の最大の敵です。
努力しても気づかれない、あるいはダメ出しばかりされる現場では、「余計なことはしない方が得」という学習性無力感が広がります。
「現場の声が上に届かない」「どうせ言っても変わらない」と感じさせてしまうと、思考停止を招きます。
リーダー自身が「全部自分で把握しないと不安」と考えていると、権限委譲が進まず、スタッフの自律心が育ちません。
近年、特にZ世代や若手スタッフの間では、「言われた通りに動く」ことよりも、「自分らしい働き方」や「仕事への納得感」を重視する傾向が強まっています。
しかし、多くの組織には依然として、日本型マネジメントの古い慣習が残っています。
これまでの管理手法のままでは、価値観が多様化する現代のスタッフとのギャップが広がるばかりです。リーダー自身の意識変革と、新しい仕組みづくりが不可欠になっています。
主体性を高めるキーワードは、「介入」から「支援」へのシフトです。 リーダーが意識すべき新しいアプローチを紹介します。
指示や管理は最低限にし、ゴール(目的)だけを共有して、具体的な手段はスタッフに委ねてみましょう。重要なのは「放置」ではなく、「困ったらいつでも相談に乗る」という安心感をセットで伝えることです。
1on1やミーティングでは、リーダーが話す時間を減らし、「どう考えた?」「どこが難しかった?」とスタッフの思考を聞き出すことに徹します。また、小さな成果でもその場ですぐに認める「即時承認」が、次の行動への意欲を生みます。
過去のミスを追及する「フィードバック」に加え、未来に目を向けた「フィードフォワード」を取り入れましょう。
リーダー自身が「完璧」である必要はありません。自分の失敗談や悩みをオープンに話すことで、スタッフは「完璧でなくていいんだ」「相談してもいいんだ」と感じ、心理的安全性が高まります。

精神論だけでは組織は変わりません。誰でも実践できる「仕組み」を導入しましょう。
チーム目標と個人目標をシートやクラウドツールで見える化し、全員が「今、何を優先すべきか」を常に把握できる状態にします。
ある介護施設では、毎朝の朝礼で「今日のチーム目標」を1分で共有する習慣を導入。その結果、スタッフ自身が業務の優先順位を判断できるようになり、半年で改善提案数が2.5倍に増加しました。
「日報」や「チャットツール」を活用し、小さなファインプレーを共有して、チーム全員で称え合う文化をつくります。
目標管理システムなどを活用し、日々の行動記録や称賛コメントを可視化するのも有効です。
※現時点で「&GROW」導入による公開可能な定量データ(スタッフ満足度等)はありませんが、導入施設からは「お互いの良いところを見る習慣がついた」との定性的な声が寄せられています。
週1回や月1回の面談を、「業務報告」の場ではなく、「振り返り(内省)」の場に変えます。
【実践事例】
あるデイサービスでは、月2回の1on1で必ず「最近、自分で考えて工夫したこと」を質問するようにしました。結果、スタッフの離職率が1年で17%から9%に低下し、主体的な情報共有が活発化しました。
Googleの研究でも有名な「心理的安全性」。これを高めるには、リーダーから失敗を語ることが近道です。
リーダーが毎月「私の今月の失敗談」を明るく共有する時間を設けたチームでは、若手スタッフからの「相談」や「提案」の数が約3倍に増加。ミスを隠さず報告し、次に活かす風土が醸成されました。
明日からできる実践アクションリスト
まずは一つからで構いません。明日からの行動を変えてみましょう。
【Level 1:即実践(忙しい現場向け)】
【Level 2:応用(習慣化へ)】
定期的にエンゲージメント(働きがい)を確認するアンケートやサーベイを実施する。
「指示待ち」のスタッフを嘆くのではなく、彼らが動き出したくなる「舞台(仕組み)」を整えることが、これからのリーダーの役割です。
指示命令型のマネジメントから、「対話」と「承認」による支援型のマネジメントへ。 まずは小さな「仕組み」を一つ取り入れ、主体性を引き出す組織への第一歩を踏み出してみませんか。